300のヒヤリハットに備える作業帽子「ヒヤリガード」の開発秘話ーかぶるだけで作業現場に3倍の安心感。「ヒヤリガード」が実現した新しい安全のカタチー

製造現場で日々繰り返される「ちょっとした」ヒヤリハット。狭い場所での作業中、ふと頭を上げた瞬間の衝撃、しゃがんで立ち上がった時の接触――そんな小さな危険の積み重ねが重大事故につながる、と言われています。このような潜在的リスクから働く人々を守るために生まれたのが『ヒヤリガード』です。

営業、製造、そして製造業の現場経験者。3つの視点が融合して生まれたこの新商品開発の舞台裏を、プロジェクトメンバーに聞きました。

【開発メンバー】
営業Iさん(営業部営業3課)/お客様の声に耳を傾け、現場ニーズを製品化につなぐ
製造Wさん(製造部)/自動車部品工場での長年の現場経験から、実用性の視点を提供
製造Hさん(製造部)/イメージを素早く形にする、製品化の要

※3倍の安心感とは?…ヒヤリガードの保護力検証として、棒状鋭利物に対する突刺抵抗性評価 突刺抵抗性試験を行った結果、ヒヤリガードは標準帽子に比べ、3倍の突き刺しの強さを持つことが実証されました。

目次:
1.開発のきっかけ:「ちょうどよい強度が、現場を守っている」という発見
2.開発のこだわり:現場目線で生まれた4つの工夫
3.開発の舞台裏:素材選びと6回の試作 妥協しないものづくり
4.お客様の声:工具落下から守った、ヒヤリガード本来の力
5.一件でも多くの労災を防ぎたい:展望とチームの思い
6.まとめ

1.開発のきっかけ:「ちょうどよい強度が、現場を守っている」という発見

インタビュアー
まずはヒヤリガードの開発のきっかけを教えてください。

営業Iさん
きっかけは製造Wさんが前職で使っていた帽子でした。自動車部品工場で、帽子の中にトリカルネット(プラスチック製の網目状の保護材)をパコッと入れるだけのシンプルなものだったとのこと。その話を聞いて「そのぐらいの強度がちょうどよく、現場を守るんだ」と気づかされました。
今ジュトクで取扱いしている「【涼】セーフティー~safety~
という商品は、作業帽子とヘルメットの中間に位置づけ、インナーメットを中に入れて使う仕様なのですが、実は、そこまでの強度はなくても十分な現場ってたくさんあるんです。そこで注目したのが「ハインリヒの法則」。1件の重大事故の裏には29件の軽微な事故があり、さらにその背後には300件のヒヤリハットが潜んでいる。そのヒヤリハットに着目しました。

製造Wさん
自分の環境では、この強度の帽子が当たり前だったということは、つまり大企業の製造現場でも、これぐらいの強度で十分な現場は多いんです。かえってインナーメットを自分で付けるタイプだと、面倒で外してしまう人もいる。そして、外している時に限ってゴツンとぶつけたりするんです。

営業Iさん
その言葉がすごく腑に落ちました。「帽子をかぶる=頭が守られる」。ひと手間なくせば、確実に現場の安全性が上がる。これがヒヤリガード開発の出発点です。

インタビュアー
ありがとうございました。ではどのように開発が進んでいったのか、引き続き聞いていきます。

2.開発のこだわり:現場目線で生まれた4つの工夫

インタビュアー
開発で特にこだわったポイントはどういった部分でしたか?

製造Hさん
一番は「取り外せない構造」です。製造Wさんから、インナーメットを外して作業してしまう人がいると聞いて。それなら最初から帽子に組み込んでしまおうと。

営業Iさん
二つ目は後頭部までカバーすること。通常の帽子はアジャスターがあるため、後頭部に空洞ができやすいのです。でも、ヒヤリハットって下を向いての作業中に起こりやすい。前は視界に入るから気をつけるけれど、しゃがんで立ち上がった時に後頭部をぶつける――そういう場面が多いんです。

製造Hさん
だから、アジャスターではなく(空洞ができにくい)ゴム仕様にしました。後頭部まで広範囲を守れる構造になっています。ゴムも、緩すぎないよう硬めのものを選び。長時間かぶっても疲れにくいかぶり心地も考えました。

製造Wさん
三つ目は通気性です。前面を全てメッシュにしたのも工夫のひとつ。実は、前面って構造的にツバが当たるのでぶつけにくいんです。だったら通気性を優先した方がいい。現場経験があるからこそ分かることでした。

製造Hさん
四つ目はフィット感。「涼】セーフティー~safety~」はヘルメットをかぶっている感覚がありますが、ヒヤリガードは「帽子」として快適にかぶれることを目指しました。硬い保護材を全面に入れるとカチカチになってしまうので、上部だけに配置。横はぶつけることがほとんどないので。
女性も含め、長時間かぶっても疲れない。脱いだ後も帽子の跡がつきにくく、そのまま買い物に行けるような。そんな自然な着用感を大切にしました。

インタビュアー
このヒヤリガードという作業帽子にそのような4つのこだわりがあったとは驚きました。

3.開発の舞台裏:素材選びと6回の試作 妥協しないものづくり

インタビュアー
ヒヤリガードの開発において最も苦労したことを教えてください。

製造Wさん
インナーの材選びですね。それなりに強度があって、頭を守れて、なおかつ帽子の中に入れ込める薄さ。このバランスを取るのが難しかった。
社内のみんなに「何かいい素材ありませんか?」と意見を募りながら、いろいろ取り寄せて試しました。高品質マットレスに入っているような網目状のものまで試作したんですが、キノコみたいな形になって厚すぎたり(笑)。

営業Iさん
9月には展示会の場でお客様に着用していただき、リアルな感想をいただくことができました。サイズ調整のしやすさにご要望が出たのもこの時です。ただ、(前述の通り)アジャスターを使うと安全面では気になる点がある。そこで後頭部に空洞ができにくく、かつサイズ調節しやすいゴム仕様に変更しました。でも最適なゴムにたどり着くまで試行錯誤が必要です。
そんな中、製造Hさんの技術があったから試作のスピードが速かった。お客様の要望に素早く応えられる体制が、この商品開発を支えました。

製造Hさん
イメージがあれば試作は1日で作ります。ふわふわした(不明瞭な)話だと「ふわふわ」な試作品になりますが、営業Iさんや製造Wさんは「こういう風にしたい」と明確に伝えてくれるので、とても作りやすかったです。スピーディに形にすることで、次の改善点も見えてくる。結果的に、6回の試作を重ねることになりました。
打ち合わせも工場内で行っています。静まりかえった会議室などではなく、ラジオを流しながら、ちょっとリラックスできる環境の方が意見やアイデアが自然と出てきます。

製造Wさん
製造Hさん自身もノートに絵を描いて「こういう感じ?」と見せてくれて。

製造Hさん
試作とはいえ、細かいところまで仕上げるようにしています。そうしないと次のイメージが湧きにくいので。みんながイメージしやすいものを素早く作る。それがお客様への最速の回答になると思っています。

4.お客様の声:工具落下から守った、ヒヤリガード本来の力

インタビュアー
今回、商品販売にあたり、事前にモニターキャンペーンを実施されました。そこからの反響を教えてください。

営業Iさん
サイズ展開の要望が多かったです。当初ワンサイズでの展開を考えていましたが、ご要望に応じて、M・L・LLの3サイズを用意する形にしました。
保護強度については、ヘルメットからの乗り換えを考えていた企業からは「強度が足りない」という声もありました。ただ、作業帽子から「さらに頭を守りたい」というお客様には「十分な強度」と評価いただけました。

インタビュアー
印象的だった使用事例はありますか?

営業Iさん
サンプルを使っていただいていた企業の方から印象的な事例をいただきました。機械メンテナンス中、脚立の上に工具を置きっぱなしにして、片付けた時に工具が頭に降ってきた。でもヒヤリガードをかぶっていたから大事に至らなかった――という報告でした。
これこそ私たちが守りたかった「ヒヤリハット」です。こういう場面は現場で日常的に起こっている。この商品で守れるなら、もっと多くのお客様に届けなければと、改めて思いました。

製造Wさん
やっぱり、「帽子をかぶっている=(中にインナーが入っているので)守られている」という安心感。これが一番大きいと思います。インナーネットを別で付けるタイプだと、本当につけているか外からは分からないですから。現場経験から言っても、この商品が守れる場面は多い、と確信しています。

5.一件でも多くの労災を防ぎたい:展望とチームの思い

インタビュアー
ヒヤリガードの開発に対して、チームだからこそできたこと、そしてこれからの展望を聞かせてください。

営業Iさん
製造が同じ建物にいて、すぐに相談できる。製造Hさんの技術があるから試作のレスポンスが早い。製造Wさんの現場経験があるから実用的な意見が拾える。この3つが揃ったからこそ、形にできました。
「日本の作業現場を快適に」が私たちのドメインです。今後は、ヒヤリガードを安全を守る選択肢のひとつとして、より多くの現場に届けたい。一件でも多くの労災、ヒヤリハットを防ぎたい。その思いで作った商品なので、現場で起こる潜在的なリスクから働く人を守る――その使命を果たしていきたいです。

製造Wさん
営業Iさんの人柄があってこそ、お客様との関係性が築けて現場の声が聞ける。製造Hさんの技術力で、イメージが形になる。そして私の経験が活かせた。本当にいいチームでした。
実際に危険な場面があった時、「この帽子をかぶっていて守れました」という声が聞けたら嬉しいです。それが口コミとなって、グループ会社や他の現場にも広がっていく。いずれは作業帽子がヒヤリガードに変わっている――そんな未来を目指したいです。

製造Hさん
実は、ちょっとした怪我だと、上司に報告しない人が多いという実態があるそうです。言えないのか言わないのか。そういう「我慢」を減らしたいです。

インタビュアー
みなさん、ありがとうございました。

6.まとめ

新商品「ヒヤリガード」の開発秘話をお届けいたしました。ヒヤリガードは通常の帽子の3倍以上の耐貫通・耐衝撃性能があります。上司の方(管理者)にも、部下の方(現場作業者)にも、ぜひこの作業帽子性能を知っていただければと思っています。皆が安心して働ける現場を作るために、この商品が役立てば嬉しいです。

ハインリヒの法則が示す通り、重大事故の背後には300倍のヒヤリハットが潜んでいます。見過ごされがちな日常の「ヒヤリ」から、働く人々を守る。それが『ヒヤリガード』に込めた、ジュトクの想いです。

ヒヤリガードの製品詳細は下記からご覧いただけます。
https://sagyouboushi.com/hiyarigard/

日本の作業現場を快適にしたい、そうすることで皆さまの課題解決のお役に立ちたい、そんな想いを持ち、作業帽子を制作しております。
お困りごとなどございましたら、ぜひご相談いただければと思います。
お問い合わせはこちらまで。

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