危険予知(KY)活動に”頭の安全”をプラス!作業帽子がもたらす安心効果

職場での安全活動のひとつとして広く行われている「危険予知(KY)活動」。
転倒や挟まれといった大きな事故を防ぐために、作業前に危険を洗い出す重要な取り組みです。
しかしその中で、意外と見落とされがちなのが 「頭部に関わる潜在的なリスク」です。
転倒による事故が多発していることもあり、ヘルメット(保護帽)の着用が義務付けられた作業現場においての対策は進んでいます。
ただ、頭部に関わるリスクは転倒によるものだけではありません。
例えば、ヘルメットの着用が必要ない現場でも、髪の毛の巻き込みや異物混入、直射日光による熱中症など、頭部に関連する危険は少なくありません。
そこで注目したいのが、日常的に着用できる「作業帽子」です。
危険予知活動に「頭部リスク」の視点を取り入れ、作業帽子を活用することで、職場の安全と衛生をより一層高めることができます。
この記事では、危険予知活動の基本とともに、作業帽子がどのように現場のリスク低減に役立つのかをご紹介していきます。
目次:
1.危険予知(KY)活動とは?
2.頭部に関わる潜在的なリスク
3.危険予知(KY)活動に頭部リスクを取り入れてみる
4.作業帽子の役割と効果
5.現場におすすめの作業帽子
6.まとめ
1.危険予知(KY)活動とは?

危険予知(KY)活動、または危険予知訓練(KYT)。製造業の方であればよく聞く言葉ではないでしょうか。
職場での安全管理を考える上で欠かせないキーワードですが、これは作業を行う前にチーム全員で集まり、作業工程をひとつひとつ確認しながら「どのような危険が潜んでいるのか」「その危険を防ぐにはどうするか」を話し合う活動を指しています。
下記のサイトでは危険予知訓練(KYT)の進め方について紹介されていますので是非参考にしてみてください。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo40_1.html
上記では、危険予知訓練(KYT)の基礎手法であるKYT基礎4ラウンド法による進め方が紹介されています。
KYT基礎4ラウンド法では、下記4ラウンドの順番で危険予知訓練を進めていきます。
●1ラウンド・・・どんな危険が潜んでいるのか?
チームリーダーが、作業状況をイラストや写真などでチームメンバーに見せます。その作業状況にひそむ危険を全員で発見し、危険要因とその要因がひきおこす現象を想定して出し合い、チームメンバー全員で共有します
●2ラウンド・・・これが危険のポイント
1ラウンドで共有した危険のうち、チームにとって「問題のある重要な危険性は何か」を絞り込んでいきます。
●3ラウンド・・・あなたならどうする
2ラウンドで決めた危険ポイントを解決するためにはどうしたらいいかを各人で考え、チームメンバー全員で具体的な対策案を出し合います。
●4ラウンド・・・私達はこうする
対策案の中から、チームとして「必ず実施する対策」をチームメンバー全員の合意でしぼりこみます。決定した重点実施事項を、チームメンバー全員で唱和し確認します。

労働安全衛生法では、事業者には労働者の安全を確保する義務が定められており、その一環として危険予知活動が多くの職場で取り入れられています。現場によっては「ヒヤリハット活動」や「リスクアセスメント活動」と呼ばれることもあり、すべてに共通するのは「小さな危険に先に気づき、大きな事故を防ぐ」という考え方です。
活動方法は現場によってさまざまです。代表的なものには、作業者全員で危険を出し合いホワイトボードに書き出す方法や、工程ごとに指差し呼称を行って確認する方法があります。たとえば物流倉庫では「フォークリフトが通る通路を確認、ヨシ!」、製造現場では「回転体に手を近づけない、ヨシ!」といった声かけが行われます。こうした声の出し合いや確認は、一見単純に見えますが、危険意識を全員で共有するうえで非常に効果的です。
2.頭部に関わる潜在的なリスク

製造業において危険予知活動を行う際、「転倒」「挟まれ」「感電」といった、ある意味<分かりやすい危険>が中心に挙げられてきます。
もちろん、まずは分かりやすい危険についての対策を行っていくことは大切です。
しかし、「それだけでいいのだろうか」と悩まれているリーダーの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一見、想定しづらい危険、しかし重大事故、重大クレームに繋がる危険、そういったポイントを見つけていくこと、それも危険予知活動をリーディングしていく方には必要となります。
そこで頭部に関わる潜在的なリスクを取り上げる、のはいかがでしょう。
実際に「ヘルメットの着用が義務づけされていな作業現場」においては、頭部の安全が軽視されがちになっているケースが少なくありません。
つまりは、このような状況です。
頭部の安全が軽視されている
↓
頭部に関わる潜在的なリスクを発見できていない
↓
頭部に関わるリスクが放置されている
では、頭部が安全である、ということは具体的にどのようなことなのでしょうか?
起こりうる事故を起点に考えてみましょう。
<製造ラインで>
●コンベアやモーター部分に髪の毛が巻き込まれる事故により従業員が死傷
●製品に毛髪が混入し、顧客から大規模なクレーム(事故ではないですが、企業に大きな損害を与えるという意味では危険予知活動においても対象として考慮すべき件です)
上記は「毛髪」が関係している事故・事象です。
毛髪の管理が必要となりますが、従業員の髪型を規制することが難しいことを考えると、適切な帽子を着用し、毛髪が外に出ていない状況が、頭部管理の観点からは「安全である」となります。
<炎天下の建設現場・農作業などの屋外作業で>
●直射日光を浴び続けたことで熱中症に
熱中症対策については、2025年6月からの熱中症対策義務化もあり、各事業者で様々な対策が行われています。体を冷やす、適度な休憩をとる、などと共に、頭部を適切に保護することも大切です。直射日光から頭部を守る、風を通りやすくさせて気化熱効果により頭部をなるべく涼しくさせる、などを構築させることが「頭部の安全」となります。
※下記記事から熱中症対策義務化についてお読みいただけます。
製造業の安全担当者が知っておきたい!熱中症対策×作業帽子の最新事情
<物流倉庫や軽作業の現場で>
●物を運ぶことに集中してしまい、導線上の他従業員に頭が激突
●ピッキング作業中、製品棚において、中腰状態で該当品を探していて、ふと上体をあげた際に上部の棚板に頭をぶつけて軽いケガ
ピッキング作業、物の移動作業などでヘルメットを着用する、ということはあまりないと思います。
無帽、もしくは布製の作業帽子を被っている、という状況が多いのではないでしょうか。
そしてこのような事故は、言葉にすると「ふとした際のコツン」となり、対策は必要ない、各人が気を付けて、となってしまいがちなシチュエーションです。
本当にそれでよいのでしょうか?
「ふとした際のコツン」でも、裂傷による出血や脳震盪など、軽傷ではすまない場合もあります。事業者として対策すべき事象です。
もちろん、各人が気を付ける(物を運ぶときは導線上に人がいないかをまず確認する、製品棚を探すときの姿勢を注意する)ことも大切です。
ただ、人の行動だけを正すことには限界もあります。
上記のような事象が起こっても、頭部を保護できる状況を作り上げることが「頭部の安全」の構築となります。
これらの事故は、言い方を選ばず表現しますと「地味な事故」であり、派手な事故程は注目されません。
が、実際には作業現場の安全・品質・健康を大きく左右します。
頭部に関わるリスク、確認することをお勧めします。
3.危険予知(KY)活動に頭部リスクを取り入れてみる

ぜひ危険予知活動に頭部リスクを取り入れていただければと思います。
頭部に関するリスクをチェック項目として組み込むこと
が有効です。
多くの作業現場で使用されている危険予知シートなどに「頭部リスク」の欄を加えるだけでも、従業員の方の意識は大きく変わります。
具体的にご紹介します。
下記のような視点を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<機械を扱う作業現場にて>
●髪の毛が巻き込みされる可能性はないか
●段取りの際、頭が当たって裂傷を負うような鋭利な角、刃物などはないか
<検品を行う作業現場にて>
●頭上に頭部をぶつけてしまいそうなライトや棚などがあるか
●毛髪が製品に混入する可能性はないか
<棚から製品をピッキングする作業にて>
●棚板に頭をぶつける恐れはないか
●製品は取り出しやすい位置にあるか
<屋外の作業現場にて>
●直射日光は避けられているか
●熱中症対策はできているか
このような視点を取り入れて、各作業現場を確認していくと、作業帽子の必要性が見えてくるかもしれません。
たとえば、作業帽子を着用していない場合、危険や不快要因がどのように作業に影響してくるのかをチームメンバー全員で想像することで、「安全のために作業帽子を適切に被ろう」という意識が浸透していきます。
危険予知活動は単なる形式的な点検ではなく、具体的な行動改善につながる気づきを共有することが目的になります。
その意味でも、作業帽子は「危険予知活動を実践に移すための」重要なツールになります。
ジュトクでは作業帽子を、皆さまの作業現場の安全のためにも活用していただきたいと考えています。
【参考に】
これらのイラストを危険予知活動でぜひご活用ください。
どのような個所に危険が潜んでいるのか、皆さまでぜひディスカッションしてください。



4.作業帽子の役割と効果

作業帽子はユニフォームと一緒に購入する、という企業様が多いことは事実です。
ユニフォームと同じ色で、同じ生地で、など、機能性は求めず、デザイン性や、購入しやすさ(ユニフォームを購入した業者で帽子も購入)などを考慮されるというお話を私たちもお聞きする機会が多いです。
ただ、これまでご説明してきましたように、作業帽子は職場の安全と衛生を守るうえで重要な役割を果たすことが出来ます。
危険予知活動の具体的な解決策となりうるのです。
安全面での貢献
帽子をかぶることで髪の毛を束ねた形で帽子内部に入れる事もでき、機械への巻き込み事故を防ぐことができます。髪の毛が長い作業者が多い現場では特に効果的です。
また、強度を持った帽子も存在します。そういった衝撃や裂傷などに強い効果を持つ帽子を使用することで頭部を大けがから守ることもできます。
長時間でも疲れにくい「軽さ」
作業帽子は作業中被り続けるものです。つまりは長時間かぶるもの。だからこそ、軽さは重要なポイントになります。首や頭への負担が少なくなるよう、作業帽子の重量にも注目して選びましょう。
衛生面での貢献
作業帽子により、毛髪落下を防ぐことができます。食品工場や精密製品の製造現場において製品の品質を守るツールとなります。顧客からの信頼を維持していくために、異物混入防止は欠かせない活動となります。
健康面への貢献
通気性や遮熱性能に優れた帽子が、夏場の熱中症対策に役立ちます。直射日光を直接浴びるのと帽子をかぶっているのとでは体感温度に大きな差が生まれ、作業効率の維持にもつながります。
このように、作業帽子は、現場のリスクを実際に減らしていくための実用的な保護具になります。
危険予知活動での気づきを行動に落とし込んでいくためにも、作業帽子の適切な選択と活用は欠かせない要素です。
ユニフォームとのデザイン性統一などだけでなく、安全面という機能性を重視し作業帽子を選ぶという観点を持つことをお勧めいたします。
5.現場におすすめの作業帽子

わたしたちの作業帽子.comでは作業現場の課題に合わせて選んでいただける多様な作業帽子をご用意しています。
こちらでは2つの作業帽子をご紹介いたします。
●Newセミフード型作業帽子
https://sagyouboushi.com/new-semi-hood-type/
毛髪落下による異物混入を防ぐため、髪の毛を中にまとめて入れるフードを採用しました。長時間帽子を被っても、頭が蒸れない、耳の部分が痛くならないとお客様から高評価をいただいています。
目的は「毛髪落下のよる異物混入防止」ですが、使用される作業者の方の使用感がよくないと、適切に被ってくれなくなり、結果、目的を達成できなくなります。
使用者の目線に立ち、開発したジュトクオリジナルの作業帽子です。

※下記記事からこの帽子の特徴をお読みいただけます!
髪型が崩れるのが嫌!頭のサイズに合う帽子がないからイヤ!解決しましょう!
●【涼】セーフティー~safety~
https://sagyouboushi.com/safety/
ありそうでなかった、帽子にインナーメットを内蔵して頭部を守る作業帽子です。
ヘルメットを被るほどではないけれど、頭部の保護が必要な現場におすすめです。
ヘルメットと比べてとても軽いため、首や肩にかかる負担が少なく、作業者の方の疲れも軽減します。

※下記記事からこの帽子の特徴をお読みいただけます!
「転倒=大ケガ」を防ぐ!作業現場で使える”かぶる労災対策”とは?ーヘルメットを被るほどではないけれど頭部保護が必要な現場でー
6.まとめ
危険予知活動に「頭部リスク」の視点を取り入れる必要性と具体例をご紹介してまいりました。
危険予知活動の本来の目的は、作業に入る前にリスクを「気づき」として全員で共有し、事故を未然に防ぐことです。日々の積み重ねが、企業内に安全文化を根付かせる大切な基盤となります。
そこに「頭部リスク」という観点を取り入れることで、従来の危険予知活動では見落とされがちだった事故や品質トラブルを防ぐことができるのではないでしょうか。
作業帽子は、危険予知活動の実践を支えるシンプルかつ効果的なツールです。
衛生・安全・健康の三つの側面を同時にカバーできるため、職場全体の安全意識を高めるのに最適です。また、従業員自身が「適切な作業帽子をかぶることで自分も他メンバーも危険から守られている」という意識を持つことができるようになり、結果、安全活動への主体的な参加が促されます。
ぜひリーダーの方だけでなく、チームメンバーと一緒に、作業現場に潜む危険、そしてそれを改善するためにはどのような作業帽子が良いのかを考えてみてください。
従業員が安心して作業に集中できる環境を整えることは、企業にとって大きな財産になっていきます。
作業帽子は、安全で快適な職場を築くための「小さな一歩」でありながら、大きな成果をもたらす存在になる、私たちはそれを信じて、これからも活動していまいります。
日本の作業現場を快適にしたい、そうすることで皆さまの課題解決のお役に立ちたい、そんな想いを持ち、作業帽子を制作しております。
お困りごとなどございましたら、ぜひご相談いただければと思います。
お問い合わせはこちらまで。